みなさんこんにちは。前回は主人に聞いた飛行機の中での出来事を書きました。先日主人から「そういえば新幹線の中でも面白いことがあった」ということを聞きました。結構面白そうな話なのですが少々長いですので、今回は主人に書いてもらいました(汗)
という事で今回は主人に書いてもらったその出来事をお送りしたいと思います。以降は主人が書いてくれたものをそのままお届けします。
◆のぞみ250号 16号車7番A席
私はいつも新幹線に乗る場合は、混雑時でも隣に他人が座らないようにと、1番端っこの車両である16号車の、しかも駅員さんが窓口で予約取りをする場合には端から取っていくことを知っていましたので、車両の真ん中である、8番の3列シートの窓側であるA席を予約するのですが、その日はうまく予約する事が出来ず、この16号車7番A席になりました。
でもまあ16号車である事と車両の中央に近い席であることからそれほど落胆もしないで列車に乗り込みました(それが結果として今回の体験をする事ができたのですから、これはラッキーでした)。この列車は新大阪始発の東京行きなのですが、発車時刻が18時を過ぎている事もあり乗客はみんなゆったりした、1日の仕事を終えてホッとした感じで乗り込んできました。
そんな中私はというと、まあその他のサラリーマン諸氏と同じく「今日は移動に徹して、明日の朝早くからの作業に向けて鋭気を養おう」とホンワカしていました。
新幹線は定刻の18:10に新大阪を出発すると、何事もなかったかのようにこちらも定刻の18:22に京都に到着しました。京都から、私のシートから真ん中のB席を隔てた、分かりやすく言うと隣の隣のシート16号車7番C席に、歳の頃32、3のサラリーマン風のお兄さんが乗ってきました。
もともと新幹線の新大阪、東京間は飛行機の伊丹、羽田間と同じくドル箱路線です。放っておいても乗客は次から次へと乗り込んできます。ですので私もこのお兄さんが乗り込んできた時も別段気にとめもしませんでした。
◆・・・ん?
気にはしませんが、人間は動物です。普通の生き物です。やはり自分の目の前のことはついつい目で追ってしまいます。
私の席の一つ空いた席に座ったお兄さんは真面目そうで、「ひょっとしてノートPC開いて仕事でもやり始めるのではないかな」と思っていたら、案の定カチャカチャとキーボードを叩き始めました。よく見ると、「〇〇〇(超有名なIT企業X社)」のロゴの入ったノートPCです。「おっとX社か、こんな大企業の社員さんが公共の場でパソコン開くのか・・・」とちょっと驚きました。
と、驚きはしましたが、そのまま何気なく見ていると、そのお兄さんはパワーポイントで資料を作り始めました。いや、ちょっと違いますね。ベースとなる資料に色んなパワポ資料からコピーペーストをして貼り付けたり修正したりしていました。色んな資料の中には「〇〇県漁連」というロゴも見えました。だんだんその彼のやっていることに興味が湧いてきて、遂には何気なくとかチラ見とかではなく、結構な角度でそちらに顔を向けて見てしまっていました。どうやらどこかの企業向けに提案書を作っているようでした。なんだかワクワクしてきている自分を感じて、少しだけ罪悪感も感じている自分がいました(えへへ)。
その後もそのお兄さん、色々切り取ったり貼りつけたりしていました。その時、パワポの表紙に写っていたのは「〇○○〇 〇〇-〇〇〇〇 〇〇(分かり難くてごめんなさい。X社のパッケージシステムです)」のロゴでした。おまけに、「○○労災病院様」という文字。。。『このお兄さん医療担当なんだな。なんとまあバカなやつだなー、会社で教育されてないのか、外でむやみにパソコン開くなって(私の心の声)』。そうです、そのお兄さんはX社(グループ?)の関係者で、医療担当の営業で、〇〇労災病院向けの提案資料を作っていたのでした。でも、本当にそうなのかは分かりません。そこで私は確かめてみることにしました。
◆確証を得た
新横浜を過ぎたあたりでしょうか、
「お兄さん、X社の人?(私)」「。。。は、い(彼)」
「医療やってる?(私)」「。。。。。。。。。は、、、、、い(彼)」
「気をつけた方がいいよ、全部見えてたよ(私)」
「。。。。。。。。。(彼)」
お兄さん、目が虚ろになっていました。そのあとは可哀想でそのお兄さんの顔が見られなくなりました。気配で分かったのですが、そのお兄さんは品川で降りて行きました。
◆教訓
今回の事は単に「ふーん、そんな事があったんだ」と他人事のように思ってはいけないのではないかと思います。自分の身に置き換えて考えてみるべきなのではないかなと、もし自分がそうなってしまったらと。。。
ひょっとしたら、そのお兄さんはその病院の担当を外されます。いや、下手をすると商談自体も危うくなります。「そんな社会人としてのルールもマナーもわきまえない奴にうちのシステムを任すわけにはいかない。」「万が一うちの情報が漏れたら困る。そんな奴がいる会社には任せられない」と。
情報セキュリティ、情報漏洩には、本当に気を付けなくては、と改めて思いました。
追:この兄さんに「見えてたよ」と言ったのは、決して意地悪でやったのではありません。今後の彼の人生にも役立つであろう事も踏まえて今回の行動を起こしました。はい。
◆おわり
主人は会社員時代は出張の多い仕事だったようで、出張の時にいろいろ面白い出来事に出会ったそうです。またいつか書いてもらいます。
それでは次回もこうご期待です。さようなら。