みなさんこんにちは。先週末行われた全米女子オープンゴルフで久々に渋野日向子選手が優勝争いに絡み、堂々の準優勝を成し遂げてくれました。このニュースを聞かれて、久々の活躍に驚かれた方、ホッとされた方、心の中で「良かったね」と呟いた方色々いらっしゃると思います。私は驚いて、ホッとして、良かったねと思いました。
この渋野日向子さんという選手は岡山県出身で2018年にゴルフの女子プロになりました。その翌年の2019年には日本のサロンパスカップでプロ初優勝を飾り、その勢いで全英女子オープンゴルフに優勝してしまいました。当時まだまだ無名だッたことやプレー中でもプレー外でも笑顔を絶やさなかったことからスマイリングシンデレラと言われたほどです。・・・その活躍、勢いは長くは続かず、ここ数年間はトーナメントに出場しても予選落ちが続いたりと苦労の連続でした。今シーズンに入ってもあまりいいニュースは流れてきませんでした。
ところが、今回の全米女子オープンゴルフでは予選を突破したと思ったらトーナメント上位の良い位置に付けていて、決勝ラウンド1日目2日目とも優勝争いに絡んできていました。低迷していた時の渋野選手は「調子がよさそうだぞ」思って放送を眺めていても、突然崩れたりして良い調子が長くは続かず期待外れで残念な結果を聞かされたのは1度や2度ではありませんでした。今回の全米女子オープンゴルフでは、やっとかつてのフレッシュで、怖いもの知らずで、前に向かって突き進む渋野選手に戻ってくれて、素晴らしい笑顔を見せてくれました。ひとりのゴルフファンとしても、渋野選手と同じ中国地方在住のゴルファー(アマチュアですが)としても、同じような年頃の娘を持つ親としても、とても嬉しかったです。渋野日向子選手、本当におめでとうございます。
・・・あれ?今回のテーマは漫画の読んで思ったことですよね、なんでこんな話をしているのでしょうか・・・ご安心ください、ちゃんと話は繋がります。すでに書いてしまいましたが、私ゴルフファンです。観るのもやるのも好きです。でも下手です。単に下手というのではなく、恐らくとても下手くそです。ゴルフを始めて何年も経ちますがスコア100オーバーはザラで、どうかすると110をオーバーすることもあります。100を切れるのは年に数回です。あー、言ってしまった、恥ずかしい・・・でもまあ、別にこんなところで嘘をついても見栄を張っても仕方ありませんので。ということで下手です。
そんな私でもどうにかしてうまくなりたい、と「どうすればいいのだろう」といつも頭の中でモヤモヤと考えていました。もちろん、練習には行っていますし、ラウンドは月一回必ず上級者の方とまわりますし、環境は悪くないと思います。でも、なぜかうまくいかずに悩んでいました。そんな時、何気なしにiPadを触っているとゴルフ教科書的な漫画が目に留まりました(法律の絡みとかいろいろなややこしいことがあると思いますので、その漫画のタイトルや作者の事はこの場では書きません)。
これを書くと多くの漫画ファンの方に怒られるかもしれませんが、実は私、漫画の事をあまりよく思っていませんでした。漫画よりも活字だけの小説、文字で書かれた文章を読むことのほうが漫画よりも勝(まさ)っていて、何かを知りたかったり、知らないことについて調べたりするときには文字で書かれたものを読んでそれをやるべきだと思っていました。
ところが、そのゴルフ教科書的な漫画に出会ってからそれまでの考えが誤りだったことに気づかされました。それまでの私には、今にして思えばいささか身勝手な持論がありまして、「漫画というのは描かれている画で作者の思いを伝えるものだから、読み手はその画を受け入れなければならない、その画が全てだ。ところが、文字の場合は、書かれている文字を読み手が自由に理解して解釈して創造して、そのうえで自分のものとして受け入れることができる。だから漫画よりも文字で書かれたもののほうが勝っている」というものでした。この考えは今もそう大きくは変わってはいません。ただ、今回出会った漫画を読んでからは「漫画も悪くないぞ、いや、漫画は漫画の良いところがあるぞ」と思えるようになりました。
今私は自分のゴルフに行き詰っていて、何かに縋(すが)るような思いで漫画を読んでいました。その思いで漫画を読み進めていくと、作者の思いは画だけでなく、文字にも書かれていて文字と画が相互に補完しあい作者の思いを伝えてくれているのです。例えば、コース上にあるボールの状況とその際にはどんな注意点を重視するかといったことを理解させてくれるために、文字と画の両方で表現されているのです。とても分かりやすく、作者の伝えたいことがすとんと気持ちの中に落ちてきました。ひょっとして縋る思いでいたからなのかもしれませんが、でも、素直に「あー!」とか「なーるほど」という気持ちになれたのは確かです。また、別の回ではゴルフというのはスコアとの戦いであって、決して他者との戦いではないことが書かれていました。ゴルフには基準打数、パーというものがあって、プロの場合はいかにしてこの打数を下回るかを、我々アマチュアでもそう上手でないゴルファーの場合は以下にしてこの打数に近づけるかを目標にプレーをします。このことは文字だけでも理解できるのですが、ここに漫画の画が加わると、その時のプレーヤーの心境であったり、同伴競技者との思いのやり取りであったりが文字だけでなく画からも伝わってきて、大切なことは何かということがとても理解しやすくなります。漫画って、悪くないですね。いや、悪くないどころかいいところがたくさんありますね。何十年かぶりに漫画を読んでみて改めてその良さに気付かされました。うんうん。
最後に、私は今回の気づきから一つの思いが胸に浮かんできました。それは、「固定概念とか勝手な思い込みは世界を狭くするだけでなく自分という人間の可能性の芽を摘んでしまっているのではないか」ということです。勝手に思い込んでしまい、可能性に蓋をするのはとても勿体ないことですね。今後は気をつけようと思います。みなさんも、もし思い当たることがあったら、蓋をしないで広い大きな思いで色々なものを見直してみたらいいと思います。
・・・今回はちょっとお坊さんのお説教っぽくなってしまいましたね(笑)それでは次回も乞うご期待です。さようなら。