みなさんこんにちは。今日は1月12日(日)ですね、年が明けて2週間近く経ちました。お屠蘇気分はもうそろそろ抜けていますかね?私は、お屠蘇気分は抜けているのですが、お正月にゆっくりしたことを思い出すと、懐かしいような勿体無いような悔しいようなちょっと不思議な気分です。
でもいつまでもそんなことを言っている場合ではありません。うちもそうですが、巷では2025年、令和7年が始動しています。今月の20日にアメリカのトランプさんが大統領に就任しますし、夏には参議院議員選挙がありますし、その前には参議院選挙の行方を占うと言われている東京都議会議員選挙もあります。それに、ひょっとすると衆参同時選挙もあり得るのではなどと言われています。政治だけでなく今年の4月には大阪万博が開催・・開幕されます。あと、世界陸上もあります。それに向けて始動開始されていますね。
・・・と、今回はそんな大きな話ではありません。もう少し小さい話で恐縮ですが、当店が仲卸業をさせていただいている鳥取県網代港に水揚げされる赤ガレイのことについて書きたいと思います。
本題に入る前に『ブランド』について書いてみたいと思います。みなさん、ブランドという言葉はご存じですよね。ではその意味はご存じでしょうか。いい機会ですのでブランドという言葉について復習してみましょう。
『ブランド』という言葉で真っ先に出てくるのはやっぱりあの有名なアメリカの経営学者のフィリップ・コトラーさんですかね。コトラーさんが言われるには、ブランドというのは「個別の売り手もしくは売り手集団の商品やサービスを識別させ、競合他社の商品やサービスから差別化するための名称、言葉、記号、シンボル、デザイン、あるいはそれらを組み合わせたもの」だそうです。要は『他と差別化するための何か』それが、ブランドなんですね。まあ考えてみると確かにそうですね。カバンでも時計でも、なんだったらゴルフクラブでも、機能とか品質が遜色なかったら、デザインや色合い材料といったそのブランド特有のもので差別化を図るわけですからね。そしてその差別化されたものでお客さんの購買意欲を高めるということですから、まさにお客さんのブランド思考をグサっと刺すブランド戦略がうまくはまって品物を買っていただけるということなのだと思います。
では、今回のテーマでもあるお魚、美味しくいただく鮮魚である赤ガレイはどうでしょうか?赤ガレイというのは、カレイ目カレイ科赤ガレイ属に属するカレイです。そう、これだけ見るとただの魚、ただのカレイです。ところがこの赤ガレイ、同じ科同じ属に属している魚でも揚がった港によってその質や大きさ、ひょっとすると味にも違いがあるようなのです(・・・これはあくまでも私の個人的な意見ですので違うと思われる方もいらっしゃると思います。そんな方には、ごめんなさい、です・・・)。なぜ、水揚げされた港によって質や味が異なるのでしょうか?・・・理由は色々あると思います。例えば、操業海域・区域が異なる、操業後の帰港・水揚げまでの時間が異なる、或いはその他の何か。それぞれの異なる部分はそれほど大きくなくても、異なる部分の割合とか、何かと何かが複合的に折り重なって誰にもわかる違いとなって現れるとか、何かがあるのではないかと思います。
・・・念のため書き添えておきますが、私は網代ガレイをブランド化に値する価値があるのではないかと思っているというだけで、他の港で水揚げされた赤ガレイの質が悪いとか美味しくないといっているわけではありません。先ほどブランドというのは『他と差別化するための何か』というフィリップ・コトラーさんの説を書きましたが、差別化したいという思いから書いているのであって、他の港で揚がった赤ガレイをどうこう言うつもりは全くありません。
話を元に戻します。私は、網代港で水揚げされた赤ガレイは本当に美味しいと思っています。煮付にすると、肉厚な身ですが、かといって硬すぎず柔らかすぎずホッコリとしていて、噛めば噛むほど赤ガレイの甘さと旨さが口の中に広がっていくという、まさに絶品です。本当に一度食べてみてほしいです。そういえば、私が赤ガレイをこれほど美味しいと思ったのはそんなに遠い過去からではありません。
まあ、これはみなさんそうだと思うのですが、若い時というのは魚の美味しさにはなかなか気づけないですよね。かく言う私自身も今より若い時は、肉だのハンバーグだのウインナーだのと油がこってりした感じのものが好きでした。まあそれは今でも変わりませんが、ある時魚の本当の美味しさに気づいたら「お!うまいじゃん!これも、いけるじゃん!」となってしいまいました。ひょっとしたら私が赤ガレイの美味しさに気付く時に網代港の赤ガレイでなく違う港で揚がった赤ガレイを食べていたらその港のブランドガレイを作りたいと思ったかもしれま・・・いや、それはないですね。私は鳥取県岩美町の網代港の仲買人ですから(笑)
私は網代港で水揚げされた赤ガレイをブランド化できないものかと、頭の隅っこの方で、漠然と、ほんわかと思っていました。そしてある時、何気なく網代港関係者にきいてみました。すると「以前、‟あじろがれい“というブランドはありましたよ」とのことでした。そのあともう少し聞いてみると「でも、いつか廃れてしまいました」ということでした。その理由までは突き詰めて聞くことはしませんでしたが、今ではあじろがれいというブランドはなくなってしまったということでした。
ちょっと気になったため調べてみました。すると、ありました、ありました。鳥取県が運営する「とりネット」というサイトの中で紹介されていました。時期は不明ですが(数年・・もっと前?)、県漁連の方が「アカガレイを子まぶりで食べる習慣は、昔は網代や田後などの沿岸部にしかなかったのでは。ほかの地域にも浸透していくことで、あじろがれいの魅力を知ってもらいたい」とほんの少しだけ載っていました。あとは農林水産省の「うちの郷土料理 次世代に伝えたい大切な味」に鳥取県網代港で揚がったアカガレイの子まぶりという料理が載っていました。先の県漁連の方の話にもありましたが、赤ガレイの刺身を赤ガレイの卵を湯がいたものにまぶして食べるものです。私も子供のころ食べたことがあります。これはこれで美味しいと思いますし、こんな食べ方をするのは地元しかないと思いますので、立派な差別化ブランド化できるものだと思います。
でも私がみなさんにお伝えしたいのは、刺身の子まぶりという手がかかる料理よりも簡単にその味を堪能できる煮付を食べてみてくださいということです。本当に美味しいですから。ですので、やっぱり「あじろがれい」ではなく新たなブランド「網代ガレイ」なんです。3枚に卸してから皮を剥いで冊にして、刺身包丁できれいに刺身にしたものに腹から取り出した卵を湯がいてそれをザルでバラバラにしてから、刺身と混ぜて食べるという、手順も多くて結構神経を使う調理法ではなく(・・・赤ガレイの小まぶりを推している方ごめんなさい)、単に煮て食べても美味しいですよということです。これだけで立派に差別化が図れると思うのですが、ブランド化が図れると思うのですが・・・。
そうそう、うちの商品で「赤ガレイ タレ付き簡単煮付けセット」というのがありますが、これなんか本当に簡単にできて美味しいです。鍋かフライパンさえあれば調理ができてしまいます(・・というほどのものではありません)。是非一度ご賞味くださいませ。この商品、同じお客様が何度もご購入されるほどおいしいですよ(笑顔)
最後は宣伝のようになってしまいましたが、そんなつもりではなくどうやったら美味しさが伝わるかを考えたらそうなってしまいました(汗)
はい、ということで新年第2回目はブランドについて考えてみました。
それでは次回も乞うご期待です。さようなら。