みなさんこんにちは。気が付いたら彼岸が明けていました。「暑さ寒さも彼岸まで」とは昔から言われていることですが、不思議なもので本当に彼岸が終わったら寒さも明けたようですね。日差しもすっかり春の日差しです。冬の間は、特に鳥取の冬は、どんよりとした雲と寒い北風、特に鳥取の北風は山からではなく海から来ますので、冷たい空気を海風が運んできてとても外に出て何かをしようとは思えません。こたつで丸くなってしまいます。でも、そんな冬も終わって春が来ました。いいですね、ぽかぽか陽気でダウンベストも分厚いジャンバーも着なくても暖かいです。洗濯やり放題、洗車もやり放題、バイクも乗り放題。春サイコーです。
そういえば、当店のサイトには載せていますが、先週末3月21日(金)で今期の松葉ガニの販売が終わってしまいました。松葉ガニ・・と言わずにここは敢えてズワイガニと表現しておきますが、松葉ガニや越前ガニ、加納ガニと呼ばれるズワイガニは、漁期が結構長いんです。都会の方はあまりご存じないと思いますが、11月6日から翌年の3月20日までの約5か月間あります。恐らく、このことをこの場で初めて聞かれた方も多いと思います。ズワイガニ(松葉ガニ)漁が解禁になる11月には「待ってました!」なのだと思うのですが、年が明けて、寒さも和らいでくると松葉ガニの事は頭から離れてしまうと思うのですが、暖かくても松葉ガニは美味しいです。寒い時は熱燗で松葉ガニでしたが、暖かい時に冷たいビールで松葉ガニも結構イケます。やったことのない方は是非お試しください。
3月と言えば卒業式のシーズンですね。私自身の卒業式も子供たちの卒業式も、もう随分昔に終わってしまいましたのでよく覚えていませんが(あ、それ以前に子供たちの卒業式には仕事で忙しくて行けなかったです:汗)、たしか3月の後半、お彼岸当たりだったような気がします。
卒業と言えば、新しい世界への旅立ちですよね。今までいた世界とは違った新しいなにか、新しいどこか、新しい世界に向かって旅立っていく。不安ですがワクワクもします。いいですよね新しい旅立ちって。
私も大学を卒業して東京の会社に就職したときは、まさに旅立っていきました。アパートの片づけ、掃除を済ませてから大家さんに鍵を返して、ひとり愛車のGSX750Sに荷物を山ほど積んで出発です。汚いライダーズジャケットとジーパン、履き古したライダーズブーツで愛車に跨って本当に旅立ちでした。不安もありましたが楽しみでもありました、これからどんな世界が待っているのだろうと。
と言うことで今回は旅立ちをテーマにしたうたについて書いてみたいと思います。え?なんで「うた」なのかって?しかも「歌」でも「唄」でも「詩」でもなく「うた」って。・・・歌や唄は音が必要ですし、これから書くことが詩とは少し違うと思ったものですからうたにしました、はい。
◆太田裕美さんの木綿のハンカチーフ
と聞いて、???と思った方も多いと思います。この歌は今から50年前に流行った歌ですからたぶん知らない方の方が多いかもしれません。でも、旅立ちと言うテーマにピッタリ(・・違うかな?・・)の名曲です。なんと150万枚も売れたという話があるほどです。因みに松本隆さんが作詞をされています。
「恋人よ ぼくは旅立つ 東へと向う列車で はなやいだ街で 君への贈りもの 探すつもりだ
いいえ あなた 私は欲しいものはないのよ ただ都会の絵の具に 染まらないで帰って」
と今こうして改めて歌詞だけを見てみると、「ふーん」と言う感じで強烈な何かを感じるかと言うとそうでもないのですが、これに太田裕美さんの独特の舌っ足らずの優しい声が乗っかると、情景が頭の中に広がってくるというか、いい感じで頭の中に曲と画像が流れていきます。これは1番ですが、この歌には4番まであって、1番がこのように旅立ちの時で、2番が「会えなくて寂しい日が続くけど我慢して。流行りの指輪を送るよ(男の人)→いいえ、ダイヤよりも真珠よりもあなたがいい(女の人)」と、旅立った後別々だけど頑張ろうという時で、3番が「君は変わってないかい?僕は田舎とは違って今どきのスーツで着飾っているよ(男の人)→いいえ、着飾らないで草むらに寝転がるあなたが好きだった(女の人)」と、都会で変わっていく男の姿が描かれていて、4番が「僕は変わった。僕は帰れない。僕を許して(男の人)→最後のわがままをきいて、贈り物をください、涙をふく木綿のハンカチーフをください」と、結局は華やかな都会に流されてしまい、ずっと信じて待っていた女の人に嘘をつくことになってしまっています。
旅立ちと言うテーマで書き始めたのですが、なんか失恋っぽい感じですよね。でもね、これも一つの旅立ちなんでしょうね。何もない田舎から都会に旅立って、色々なものやことやひとに触れて大人になっていって、田舎と違う何かを感じて、今の自分には田舎に残してきた恋人よりも目の前の華やいだ暮らしが合っていると思ったのでしょう。これはこれで旅立ち、なのでしょうね。
◆さだまさしさんの案山子
この曲もずいぶん古い曲です。今から50年近く前に出された曲ですので知らない人も多いかもしれません。これは自分が旅立っていくという事よりも旅立っていく弟さんの事を書いたものですね、詩の中にそのような表現がありますので。この曲は詩も曲もさだまさしさんが書かれています。
「元気でいるか 街には慣れたか友達出来たか 寂しかないか お金はあるか 今度いつ帰る
城跡から見下せば蒼く細い河 橋のたもとに造り酒屋のレンガ煙突
この町を綿菓子に染め抜いた雪が 消えればお前がここを出てから 初めての春
手紙が無理なら 電話でもいい 金頼むの一言でもいい
お前の笑顔を待ちわびる おふくろに聴かせてやってくれ
元気でいるか 街には慣れたか 友達出来たか 寂しかないか お金はあるか 今度いつ帰る」
なんか、暖かいですよね。さだまさしさんの曲はほぼ全部そうだと思うのですが、曲を聴いているとその情景が頭に浮かんできてあたかも自分がその情景の中心にいるような気持ちになってしまいますよね。
この曲もそうです。橋のたもとにある造り酒屋のレンガ煙突・・・あ、昭和の時代の田舎の風景だなとか、2番の「山の麓 煙吐いて列車が走る 凩(こがらし)が雑木林を転げ落ちて来る 銀色の毛布つけた田圃にぽつり 置き去られて雪をかぶった 案山子がひとり」は、今の時代では走っていない蒸気機関車が山際を走っている風景を連想させますし、そんな雪景色の中一人寂しくぽつんと立っている案山子は、都会で一人暮らしをしている作者の弟さんで寂しくしているんだろうな」という事を感じさせます。歌詞の中に引きずり込まれていくというのでしょうか、不思議な感覚になりますよね。
そして最後に金頼むの一言だけの電話でもいいから連絡してくれたらおふくろが喜ぶよって。おふくろも寂しがっているよって言ってるんですよね。
先にも書きましたが、これは旅立ちというよりも、若いせいもあり家族から見たら少し頼りない、今まで守ってやってきた弟、息子の旅立ちを心配しながら見守っているという感じのうたですよね。暖かいですよね。
◆おまけ 長渕剛さんのとんぼ
これは1988年ですからちょっと新しいですね・・いや、40年近く前ですからそうでもないですね。え?なんでこの曲が旅立ちのうたかって?それはですね、
「死にたいくらいに憧れた 花の都大東京 薄っぺらのボストン・バッグ北へ北へ向かった」というこの部分なんですね。このうたの主人公は、ボストンバッグ一つを持って南から北に向かって夜汽車で走ったんですね。そして、大東京で色々なことを経験して、辛い思い経験して、今も何かに憤りながら生きているんですね。「しあわせのとんぼ」を追いかけながら。旅立ち、そして今も旅の途中という感じでしょうか。
はい、今回は旅立ちと言うテーマで書いてみましたが、なんか「懐メロをもう一度」みたいになってしまいましたね・・汗。まあ、これはこれでいいですか(笑)
それでは次回も乞うご期待です。さようなら。