みなさん、こんにちは。
今から40年以上前のことです。学生だった私は大阪で一人暮らしをしていました。高校の時から学校帰りは友達のうちに集まってワイワイガヤガヤやっていた私は、大学でも同じく友達の部屋に集まってワイワイガヤガヤやっていました。ただ、高校の時は学校からの帰り道にある友達のうちに集まるのですが、大学では「帰り道」ではなく私のアパートとは全然別方向の、しかも電車で3駅くらい行ったところにある友達の部屋です。まあ、それだけ集まってワイワイやるのが楽しかったということだと思います。
そこには私を含めて常に10人くらいが集まっていたのですが、なぜかみんなバイクが好きで、集まってくる仲間たちはみんな中型自動二輪免許を持っていました。当時の中型自動二輪免許というのは、原付バイクと言われる、制限時速30km/hで排気量50㏄未満のバイクより上のクラスの、自動二輪と言われるバイクのうち排気量399㏄以下のバイクを運転できる免許です。排気量400㏄クラス(中型自動二輪免許で運転できる最高クラス)のバイクは当時でもまずまずの性能を持っていて、公道を走るにはこれで十分でした。ところがなぜか、どうしてなのかわかりませんが、ある時「大型(自動二輪免許)を取ろう」と言うことになったのです。中型バイクで十分なのに大型バイクに乗れる免許を取ろうということになったのです。
不思議なのですがだれも反対することはなく、「そうしよう!」と言うことになりました。ただ、仲間たちが連れ立って「〇月〇日に運転免許試験場に行こう」と言うことではなく、各々が勝手にチャレンジする事になりました・・・「事になりました」というか、自然に大型自動二輪免許取得競争が始まりました。 競争と言っても、「俺が一番先に取った!」とか「試験回数が一番少ないのは俺だ!」とか、ましてや「お前なんか俺より回数が多くかかったから下手だ!」などと言うことはでなく、単にみんなで取ろうと言うことでした。でもやっぱり競争となると、面白いものでそれからしばらくして仲間たち全員が無事大型自動二輪免許を取得することが出来ました。
免許が取れたらやっぱり欲しくなるものですね、免許に見合ったバイク。漫画750(ナナハン)ライダーで主人公の早川光が乗っていたCB750。バリバリ伝説の主人公巨摩郡(こま ぐん)が乗っていたGSX750S。そうです、憧れのナナハン、排気量750㏄のバイクです。・・・あ、大型自動二輪免許は運転できるバイクの排気量制限はありません。1200㏄のハーレーダビッドソンでも、排気量1500㏄のホンダゴールドウイングでも運転できるのですが、仲間たちの思考は750㏄のバイクでした。ですので、やっぱりホンダのCB750、スズキのGSX750S、ヤマハのFZ750と各社のナナハンが勢揃いでした。まあ、中には少し変わったやつがいて、「750なんて人と同じのは嫌だ」と、スズキのGS650Gという排気量650ccで後輪タイヤがチェーンドライブではなくシャフトドライブという当時のバイクとしてはかなりレアなバイクを手に入れたやつもいました。ここにナナハンライダー軍団が出来上がったのです。
バイク好きが集まると話題に上がるのはやっぱりツーリングです。仲間たちとも色々なところにツーリングでいきました。和歌山の白浜温泉、淡路島、四国・・・なんかあまり普通過ぎて面白くないですね。
ある時、仲間のうちのひとりであるN君と二人で伊勢神宮に行くことになりました。その時はスケジュールが合うのが私とN君だけだからだったと思います。
朝集合場所で落ち合った私たちは、伊勢神宮に向けてどこかの高速道路を走っていました・・ツーリング計画、ルート選択は全てN君任せでしたので私にはその高速道路がどこなのか分かっていませんでした(笑)。しばらくは高速道路の走行車線を普通に走っていたのですが、そのうち前方にワンボックスタイプの車が現れました。普通に追い越し車線に出た私とN君はそのワンボックスの横を通り過ぎて行きました。見ると中には若い男女が乗っていました。しかもシートは対面にしてワイワイ楽しんでいるようでした。すると、その中の若い女性がこちらに手を振ってきました。私には「キャーバイクよー、かっこいいー!!」と言っているように聞こえました・・たぶんそんなことはないと思うのですが。
すると私の体が勝手に反応してしまい、GSX750Sカタナのギアを一段落として加速を始めていました。それまでは100㎞/h程度で走っていたのですが、長い直線と言うこともあり、スピードは一気に200㎞/hまで上がっていきました。勿論、若い男女が乗ったワンボックスカーは遥か後ろです。
・・・勢いで200㎞/hまで加速したものの、当時のGSX750Sカタナは今の大型バイクと違って200km/h超えでの直進安定性がそれほど良くありません。しかもカウリングなどと言う風よけもついていません。あるのはメータバイザーと呼ばれる20㎝×30㎝程度の小さなプラスチックの板くらいです。怖かったです。200㎞/hの世界と言うのは前方の視野がものすごく狭くなって周りの景色も一瞬で後ろに飛んでいきます。ほんとに怖いです。恐怖です。あ、しつこいようですが、これは高速道路での話です。路面も平たんに整備されていて、車線も広く、センターラインの間隔も広い高速道路です。普通の道路で200㎞/hなんて絶対に無理です。・・・これは40年以上前の話ですのでもう時効です(刑事訴訟法第250条)、念のため。
ところでみなさん、先日、一般国道を時速194㎞/hで走行中に対向車線から右折してくる車に突っ込んで、その対向車の運転手を死亡させた事故の控訴審判決が出ましたがご存じですかね、大分市で起きた事故です。たぶんご存じですよね、過失運転致死罪か危険運転致死罪かというところで、一審では危険運転致死罪を問われ、有罪となって懲役8年が言い渡されましたあれです。その裁判の控訴審(第二審)です。
今も書きましたが一審では危険運転致死罪が適用されました。でも、なんと先日判決が出た控訴審では危険運転致死罪とは認められなかったということなんです。高速道路ではない普通の国道を・・あ、高速道路でも194km/h超高速ですね・・私は怖かったです・・、それが一般国道です。制限時速は60km/hの一般国道です。その道路を制限時速の3倍以上で走行して危険運転にならないというのはどうにも納得できません。しかも人が亡くなっているんです。いや、仮に亡くなっていなくても、高速道路のように路面が高速に耐えられるように整備されて、横から動物などの障害物が入ることが無いようにフェンスもされていて高速に適した道路ではなく、一般の国道です。2車線あろうと3車線あろうと普通に人が入ってこられて、交差点もあって、道路の整備も高速道路ほどではない一般の道路で制限時速の3倍、制限時速を130㎞/h以上もオーバーしての走行です。その結果対向の右折車に突っ込んで「過失運転」って・・。一市民(町民ですが・・)としてですが納得できません。私が納得できるとかそんな話とは違うのは分かっているのですが、でもやっぱりおかしいと思います。
この判決の理由は「一審は『制御困難な高速度』と認めたが、一審が証拠として採用した、走行実験で使われた車は事故を起こした車両とは異なっていて、この証拠では路面状況が被告の車に与えた具体的影響も不明。被告の車は一貫して自車線で直進走行を続けており制御困難な事態は生じていない」ためだということなんです。もう、なんていうか開いた口がふさがりませんよね。まっすぐ走れていたから一般国道を200km/h近い猛スピードで走っていても危険運転ではないと言うことなんです。
おかしいですよね。この言い方だと、自分の車が直進走行中で右折車が目の前に現れても突っ込んもいいように聞こえます。この判決を下した裁判官の方は免許を持っていないのではないかと思います。そんな人がこういったケースの裁判を担当してはいけないのではないかと思います。一審は裁判員裁判だったそうですので、車のことも分かった人たちが裁判を行ったように思いますが、福岡高裁の控訴審は通常の裁判だそうです。だから一般の感覚ではない方がこんな変な判決を下したんですかね。おかしいですよね、亡くなられた方の遺族の方は本当に悔しくて悲しいでしょうね。亡くなられた方は戻ってはきませんが、過失、で片づけられたら本当に可哀そうですよね。
日本は法治国家です。法に基づいて国が運営され国家の権力が法によって制約され律されるのです。法律は国を律しますが法律は人を守ります。我々日本人は法律に守られているんです。だから安心して生活ができるのです。その法律を司っている、法律を適用して我々を守るべきはずの裁判官がこのような判決を下していいのでしょうか。私にはわかりません。法律は人を守るためにあると思うのですが・・・。
はい、今回はちょっと納得がいかないお話について書いてみました。それでは次回も乞うご期待です。さようなら。