みなさんこんにちは。
少し前のこのコーナーに、今私が中型限定解除試験にチャレンジ中であることをお伝えしました。・・・そうですね、今日が“初めまして”の方に、いきなり「中型限定解除試験」と言ってもよくわからないですよね。そういう方のためにおさらいをしたいと思います。中型限定解除試験の前に簡単に免許制度について説明します。2009年以前に取得した普通免許の区分が2017年3月12日に施行された免許制度改正によってちょっと変わりました。
具体的には改正前の普通免許は車両総重量が8トン未満、最大積載量が4.5トン未満、乗車定員は10人以下まで運転できたのですが、改正後の免許区分ではそんなのはありません。改正後の免許区分では・・・細かいですがついてきてくださいね・・・、
「普通免許」が車両総重量が3.5トン未満、最大積載量が2トン未満
「準中型(5トン限定)」が車両総重量が5トン未満、最大積載量が3トン未満
「準中型(限定なし)」が車両総重量が7.5トン未満、最大積載量が4.5トン未満
「中型(8トン限定)」が車両総重量が8トン未満、最大積載量が5トン未満
「中型(限定なし)」が車両総重量が11トン未満、最大積載量が6.5トン未満
「大型」は中型(限定なし)を超えるものとなるわけです。
乗車定員は中型(8トン限定)までは10人以下で、中型が29人以下、大型は30人以上となります。で、2009年以前に取得した普通免許は免許制度改正後は中型(8トン限定)なのです。この「8トン限定」を解除するのが中型限定解除試験ということです。これは、乗車定員も29人までになりますのでマイクロバスも運転できることになります。
話を元に戻します。中型限定解除試験にチャレンジ中であることと併せて、受験してもなかなかうまくいかなくて試験官からのアドバイスが結構きついこともお伝えしました。でも、そのアドバイスは私を個人的に気に食わないとかそういうことではなく、私の技術レベルが免許を与えるレベルに達しているか、大きな車を安全に走らせることができるか、という観点でのアドバイスからきつめの言葉になったのであろうことも書きました。
前回、中型限定解除試験にチャレンジ中のコラムを書いてから色々考えてみました。例えば、大きな車を操る技術のこと、或いは安全に車を動かすこと、或いは大きな車を動かすという心構えのことを。そして考えるだけでなく、ただ闇雲に試験を受けることをやめて少し休憩して落ち着いて考えてみることにしました。それまでの私は、1回でも多く受験すれば合格に近づくのでは?との思いから、仕事の合間を縫ってできるだけ時間の都合をつけるようにして受験するようにしていました。ところが、「落ち着いて考えてみよう」と思ってからは、多少は無理をすれば受験できるところでもそれをしないでいました。ただ、受験しない間にも大きな車を操る技術のこと、安全に関すること、心構えのことについて忘れないように、というよりも闇雲に受験していた時よりもより積極的に考えたり行動したりすることにしました。技術面では、仕事で使っている軽トラックを試験用の大きなトラックに見立てて、内輪差や振出しを意識したライン取りや走行を。安全面では乗車時、発車時、信号交差点や信号有無にかかわらず左折時の巻き込み確認を。心構えという点では、大きな車でも小さな車でも走れば周囲にとっては危ないものになるという気持ちを忘れない。といった具合です。
結論的に言いますと、試験は合格しました。前回の「中型限定解除試験にチャレンジ中」を載せてから2回で合格しました。「1回で」と言えたら格好良かったのですが、世の中それほど甘くはありませんでした。自分としては技術面も精神面も問題ないと思っていたのですが、その日は他の試験車両(大型免許、普通免許)が狭い試験場内で交錯したり、なぜか狭い道路でキープレフトを怠ったりと普通では起きないことが起きてしまい不合格となりました。ですが、掲載後「2回目」の受験ではすべてうまくいきました。試験終了後の試験官からのアドバイスも、「しっかりと安全確認ができていました。仕事で大きな車に乗られると思いますが、これからも安全確認は怠らないでください」でした。・・・試験終了後は合否の発表はしてくれませんが、「合格」であることをアドバイスとして伝えてくれました。なぜかホッとしました。
今回のテーマは「機が熟するということ」です。果たしてこの言葉が私の中型限定解除試験受験のことと合致しているかどうかはわかりません。ただ、なんとなくですが、機が熟したから合格できたのではないかと思っている自分がいます。受験を繰り返しながら、試験課題(※で説明します)の一つひとつは問題なくできるし、安全確認も問題ないのになぜか合格できなかったのです。それがコラム掲載後2回目には不思議と落ち着いた自分がいて、試験官の「次は〇〇番を左折してクランク走行です」という指示を冷静に聞くことができて、その指示(課題)を当たり前にこなしている自分がいました。そして気が付いたら「はい、課題は終了です。発信場所に戻ってください」という最後の指示と「これからも安全確認は怠らないでください」というアドバイスが聞こえてきました。
そう、どういえばいいでしょうか・・合格ということを知って「嬉しい!」というよりも「ホッとした」という感覚のほうが強かった気がします。頑張って、頑張って、無茶苦茶頑張って出来ないかもしれないことをやり遂げたというよりも、一つひとつクリアしていってその域に達することができたから、そして、合格できる時が来たから合格したのだという気持ちからホッとしたのだと思います。機が熟するというのは、ちょうど良い頃合いのことを言うと思うのですが、私にとっての中型限定解除試験合格は受験中に色々なことを勉強して、自身の頭の中で色々なことを考えて、自分で消化できたから合格に至ったのだと思います。やはり気が熟したのだと思います。ホッとしました。
「機が熟する」というのは何か神がかった、人間の力ではどうしようもないことのように感じますが、実際にはそうではないのではないかと思います。神様が何かをしてくれるというのではなく、その人が、その人の中で、その人自身から「もう良いでしょう」と言われているような、その人自身が「これで大丈夫」と納得しているから思った通りに事が運ぶような、そんな感じなのではないかと思いました。
実は今回、試験場に向かうときに渋滞にはまってしまい受付時間ギリギリになりました。しかも試験場についたら急に下腹が痛くなってきてトイレに駆け込みもしました。いつもの私であれば「これは不吉・・今日もダメか・・」と考えてしまうのですが、この日はそんなこともなく「良かった、受付時間に間に合った」「良かった試験開始前にトイレに行くことができて」でした。やはり機が熟していたからいつもならネガティブに考えがちな事件?が起きても平常心でいられたのではないかなと思います。これを読んでいただいているみなさんも、何かを始める時に「機が熟した」と感じるまで準備や努力をされてみるのもいいかもしれませんね(汗)
はい、今回はちょっぴりお寺の和尚さんのお説教っぽくなってしまいました(笑)
それでは次回も乞うご期待です。さようなら。
(※)S字走行:狭いS字路を前後左右のタイヤを脱輪させないように走行、クランク走行:直角のかぎ型で出口と入口が逆方向の狭い通路を前後左右のタイヤを脱輪させないように走行、あい路駐車:車幅と車長ぎりぎりの長さの場所にクルマを停めることなく駐車させる、路端停止:左側ぎりぎりに停めたトラックを、前方障害物をかわしながら左後部のポールに当てないように発信、他にもあり