みなさんこんにちは。少し前「雨が降らない、晴れが恨めしい、雨が恋しい、誰か雨ごいしてくれ―!」と言っていたと思ったら、先々週は一転して前線が停滞って、大量の雨って・・・。しかも九州地方では大きな被害が出るほどの大雨が降って・・・。この時大きな被害が出たそうです。被害にあわれた方、心よりお見舞い申し上げます。また、亡くなられた方、そのご家族の方には心よりお悔やみ申し上げます。
一体地球はどうしちゃったのでしょうか。梅雨には雨が降らずに梅雨明け宣言をしたと思ったら、8月も半ばになってからまた前線が停滞って。・・・これ普通なら梅雨前線ってという言い方をすると思うのですが、なぜか「前線」なんですよね。気象庁さんも困ってしまって、梅雨明け宣言をしてしまったため「梅雨前線」と言えず、単に前線と言っているような気がします・・・いえ、違います。前線というのは暖かい空気と冷たい空気の力が同じくらいの時にそこに居座るもののことをそう呼ぶそうです。まあ兎に角おかしな天気ですね。トランプさんももっと地球温暖化のことを真剣に考えてほしいもんです。
と言うことで、今回は私が住んでいる鳥取県岩美町(東部地方)のお盆の風習について書いてみたいと思います。このコラムを読んでいただいている方は、恐らくですが「お盆の風習なんて日本全国どこでも同じだろう」と思っている方も多くいらっしゃると思います。ところが、家内(鹿児島出身)に聞いてみると私の田舎は少し違うようです。それが、鹿児島が一般的で鳥取がそうではないのか、或いはその逆かは分かりませんが、鳥取と鹿児島を比べてみて違うわけですから、恐らく全国と比べると違うところがたくさんあるのだと思います。で、書く事にしました。はい、では始めます。
◆お盆になる前に
私の村・・・住所は町です、岩美町です。でも田んぼや畑に囲まれて海にも近くて、住んでいる方々も素朴で、田舎の村の雰囲気満載です。何より汽車(ディーゼル気動車ですので電車ではないです:笑)は勿論、バスも1時間に1本あるかないかです。ですので村でいいです。その私の村ではお盆になる前にいろいろな準備をします。
墓掃除は当たり前ですね。・・・いや、都会の方はお住まいとお墓が遠く離れているようですので、そうそう頻繁にお墓に行けないそうですから、お盆は墓掃除と合わせてお参りということですよね。ところが、私の村ではお盆の前の週の休日には多くの家庭が墓掃除に出かけます。バケツとブラシと箒を持ってお墓とその敷地をきれいにします。でも、花はお供えしません。早くからお供えすると枯れてしまいますので。掃除が終わったら「また来ます」と挨拶をしてお墓を後にします。
その次はお寺に行きます。ここも都会の方からすると「???」と言うところだと思います。私の村ではお寺の檀家さんはどこのお宅も、お寺にある位牌堂と呼ばれる、位牌をお祀りしてある建物にお供えとお布施を持っていきます。
位牌堂の中の、各家の「場所」と言うのでしょうか、ご先祖さんの戒名がずらっと刻まれた大きな位牌が置かれた各家の区域、そうですね・・幅、奥行きとも50cm程度の広さでしょうか。その場所はきれいに掃除されています。蝋燭立てには蝋燭カスは残っていませんし、線香立てもきれいにされています。そこにお布施台とでもいうのでしょうか、木製の漆が塗られた黒っぽい小さな台が置かれています。そのお布施台の上に「田舎せんべい」と言う瓦煎餅のようなお菓子が置かれてあります。それをありがたく頂いて、その代わりにお布施とお供えのお菓子、蝋燭と線香をお供えして帰ります。
もう一つ。おがら・・・って分かりますかね?麻幹と書きます。麻の皮を剥いで茎を乾燥させたものです。直径は5mmから8mm程度で長さは1mもありません。迎え火とか送り火とかで使うのですが、私の村ではこのおがらを三角錐の形に紐で組んで、底面部分にお供物が載るような形を作ります。底面は1辺が25cmくらいの正三角形です。その正三角形に間隔が3cmくらいの簀の子(すのこ)状におがらを組んでお供えが載るようにします。そこに50cmくらいの長さの錐(すい)を付けたうえで、上部を結んでぶら下げられるようにします。
墓掃除とお寺にお布施とおがらお供え台の準備。これがお盆が来るまでにやっておくことです。
◆お盆
と言うのは、13日から16日。13日がお盆の入りで、16日が送り盆と言うのは日本全国どこでも同じだと思います。では、迎え火はどうでしょか?家内に聞くと、鹿児島では各家の玄関先で13日の夕方におがらを焚いて、仏さん、ご先祖さんをお迎えするそうです。「こっちだよ」と言う感じで。ちょっとググってみましたが、日本中やっぱり同じような感じでした。
うちの村はちょっと違います。うちの村では送り火はお墓で焚きます。なんか変ですよね。お盆は1年に1回仏さんご先祖さんが家に帰ってくるのです。迎え火を頼りに・・・と言うわけではないでしょうが、玄関先の迎え火を見て「おー、もう少しで家に着く」と言う感じだと思います。ところがうちの村では迎え火はお墓で焚きます。やっぱり変ですよね。仏壇は家の中にあって、仏壇の中には位牌もあります。仏さん、ご先祖さんは家に帰ってきたら仏壇の位牌の中でゆっくりしているのだと思います。だからやっぱり迎え火はその家の玄関で焚くのではないかと思います。
おまけに、うちの村の迎え火は13日だけでなく、14日、15日もやります。これは私が子供の時から変わっていません。いえ、もっとずっとずっと昔からそうだったようです。・・・ん?ひょっとしてこれは迎え火ではないのかもしれません。仏さん、ご先祖さんを迎える為に焚いているのではなく何か別の理由があるのかもしれません・・・でも今となってはそれを確かめる術はありません。それを知っていそうな私のおばあちゃんは30年近く前に亡くなってしまいました。仏さんになったおばあちゃんは、ひょっとしたら「なんで迎え火を玄関先で炊いてくれないのかな?」と思っているかもしれません・・・笑。
お供えも変わっていると思います。白玉団子のような米粉で作った団子をお供えします。これはそこまで変わっているとは思いません。ただ、私の村では「水の子」と言われるものを作ります。「なす」と「ささげ」と言う豆を賽の目に切って、そこに洗ったお米を入れます。これが私の村の水の子です。
水の子や団子は、お墓は勿論仏壇はにもお供えします。変わっているのは前項で書いた「おがら」で作った三角錐のお供え台にも水の子や団子をお供えします。
因みに三角錐のお供え台は軒先からぶら下げます。そこにお供えをします。これは仏さん、ご先祖さんが帰ってくる時に一緒についてくる餓鬼さんのためのお供えだそうです。
◆お盆の楽しみ
と言うのは、どうでしょう・・・お正月の楽しみと似ているような気がしますね。お参りをして、お供えをして、あとは飲んで食べて寝る、ですね。お墓参りと仏壇へのお供えを終わったら、あとは朝からゆっくりして、お酒を飲んでも良いし、ゴロゴロしても良いし、ゴルフに行って1日中遊んできても良い。何をやっても怒られません。でもまあ、昔のようにお盆のお参りを済ませたら何をやってもいいんだとばかりに朝から酒を飲んで酔っぱらっている猛者はいないような気がします。やっぱりクーラーの効いた部屋でゆっくりと読書でしょうかね。みなさんのお盆の楽しみは何ですか?
そうそう、先日の8月16日送り盆の日は朝早くから海岸に行って、蠟燭を灯して線香を供えて送り盆をやってきました。「仏様、どうぞ気を付けてお帰りください」の送り盆です。これは恐らくみなさんのところも同じですね。そのあと、お墓に行って蝋燭を灯して線香を供えてきました。・・・やっぱり、古くからの風習とか文化とかって良いですね。
はい、今回は私の村のお盆の風習について書いてみました。それでは次回も乞うご期待です。さようなら。