みなさんこんにちは。今日から大相撲九州場所(11月場所)が始まりましたね。個人的には鳥取県出身の白桜鵬に頑張ってほしいですが、みなさん頑張ってください!
ところで、みなさんはがんという病気に対してどんなイメージを持っていますか?癌、ガン、がん、キャンサー。がんです。私の個人的なイメージですが、がんという病気は、まず不治の病ということですかね。がんに罹ったら何年かうちにがんが進行して、体はだんだん痩せ細っていって最後はがりがりになって亡くなっていく。そんな病気というイメージがあります。よく俳優さんとかが久々にテレビ画面に映ったりしたときに、「あれ?この俳優さんこんなに瘦せていたっけ?凄い痩せ方だな」と感じると、多くの場合がその方はがんを患っていて、それからまたしばらくするとその方の訃報がテレビで流れるという感じです(あ、あくまで私個人的なものですよ)。あとは、がんに罹ったら手術や薬でがんを取り除いたとしても何年か後に再発して、その何年か後にはがりがりになって、或いは酸素マスクをしながらベッドに横たわっている。そんなイメージです(くどいようですが、私の個人的なイメージです)。
がんに対して5年生存率とか10年生存率という指標がありますが、これはがんと診断されてから5年後或いは10年後にどれくらい生きていられるかという指標です。つまりがんに罹ったら、あと5年経って生きていられるだろうかとか、10年は大丈夫かな?というそれくらい重たい、過酷な病気というイメージです(・・・個人的なものです)。
先日、町の健康診断を受けました。がん検診というやつです。がんに特化した検診です。
胃がんの検査は内視鏡でやってもらいました。あの1㎝はあろうかという太い管を口から体の中にいれて、食道、胃袋、十二指腸まで内視鏡カメラで診ていくというあれです。内視鏡検査というのは何度やっても慣れないですね。まず、内視鏡カメラが付いた太い管を飲み込むときのあの感じは絶対に慣れませんね。いくら喉のところに麻酔をかけているとはいえ、あんな太いものを飲み込むなんて。しかも飲み込むだけでなく、太い管がずっとのどのところに居座っているんです。もうたまりません。何度も「オェ、ヴオェ」と、もどしそうになりながらも胃袋には何も入っていませんので何とか耐えていましたが、やっぱり嫌です。
ちょっと話が逸れますが、胃がんの検査は内視鏡検査だけでなくバリウムを飲みながらやる胃透視検査がありますね。胃透視検査、これは内視鏡検査と比べて検査自体はとても楽に検査をしてもらえますが、あれはあれで大変です。検査の後が大変です。バリウムというやつは人間が消化できないものですので検査後は体の外に出さなければなりません。ですので、検査後は看護婦さんに赤い下剤を渡されて「きちんと出してくださいね」と言われます。
私、以前バリウム検査の後に下剤での処置を誤ってしまい、バリウムの残りかすをうまく体の外に出せなかったことがありました。検査の翌日だったか翌々日だったか忘れましたが、大変でした。もう無茶苦茶大変でした。下腹部、それも肛門に近いところに何かがあるのは分かっているのです。たぶんバリウムの塊なのも分かっているのですが、出ないんです。あのバリウムというやつは腸の形のように長細くなってくれればいいのですが、そうではないんですよね。丸い塊になって固くなるんです。それが出てこないんです。出すときの痛さと言ったらもう大変です。痛かったです。無茶苦茶痛かったです。それ以来私は胃の検査は内視鏡しかやらないことにしました。・・・いったい私は何の話をしているのでしょうか(笑)。
胃の次は肺です。こちらは簡単です。レントゲン室に入って上着を脱いで、「はい、大きく息を吸って・・・、止めて・・・、はい終わりました」で、終わりですから。苦しくも辛くも何ともありません。「はい、ありがとうございました」と、検査室を出てきました。大腸がんの検査もありましたが、この検査は二日続けての毎朝の検便で、がんの有無を調べてくれましたので、こちらも何の苦も無く検査を終えられました。
それから2~3週間くらい経ったでしょうか、水色の封筒に親展と書かれた料金後納の郵便が届きました。差出人は〇〇町役場健康福祉課となっていましたので、がん検診の結果の通知であることはわかっていました。町のがん検診は何度も受けていますので今回もいつものように「異常なし」と書かれていると思い、その封書をあけてみました。
「胃がん内視鏡検査結果のお知らせ」という複写式の紙を開いてみると、胃がんは認められませんでしたと書いてありました。ふむふむ、と次の「大腸がん検診結果通知書」というカラー印刷の紙を見てみると、今回の検査の結果は陰性で異常は認められませんというものでした。まあそうだろうな、と次の「肺がん検診結果のお知らせ」が印刷されたざらざらのコピー用紙を見てみると(・・・よく見ると全部様式も違えば紙質も違います。いろいろ事情があるのだとは思いますが、がんの種類によって検査のやり方が違うのでしょうから難しいのかもしれませんが、検査結果用紙を統一できないものでしょうか、できないのであればせめてサマライズした一枚の結果報告書のようなものをつけておけばいいのに・・・まあいいや)、その肺がん検診結果のお知らせには、判定「E」精密検査が必要です。悪性病変の疑いがありますと書いてあり、「肺がん検診精密検査登録医療機関」というタイトルの医療機関一覧が入っていました。
・・・え?なに?どういうこと?がんかもしれない?・・・。不治の病で、がんと診断されてから5年間生きられるかどうか或いは10年か、とか、まだまだやらなければならないことは山ほどあるのに、命のことは別として入院して治療に専念なんて絶対無理だ、と一瞬パニックになってしまいました。まあ、家内には悟られないようにですが。
その後冷静になって考えてみました。もし肺がんであった場合どうなるのか、もし肺がんであった場合どうすべきか、もし肺がんであった場合うちはどうなってしまうのだろう、と。がんであった場合は治療をしなければなりませんので仕事は出来なくなります。家内一人では恐らく無理ですのでやっぱり仕事は出来なくなります。あ、恐らく短期間であれば踏ん張れば家内一人で何とかなるのかもしれませんが、がんの治療というのは、手術で取り除くにしても化学療法で無くするにしてもそんな短期間で終わるものではありません。だから結局仕事ができなくなります。仕事ができなくなるとたちまち生活が立ち行かなくなります(え?いくらか貯金があるだろうって?いえいえそんなもの雀の涙です)。生活が立ち行かなくなると満足な治療も受けられません。すると結局明るくない未来に向かって進んでいくしかなくなってしまいます。
冷静になってもやっぱりよろしくありません。改めて、これは大変な病気なのだと思い知らされました。そして私自身のことだけでなく、がんの患者さんがいるご家庭のこと、がんだけでなく重い病気で一生懸命治療をしなければならない患者さんがいるご家庭のことにも思いが至って、改めてその大変さを思うことができました。
・・・。結局、私はがんではありませんでした。精密検査をしてもらったのですが、「何か」がそんなように(がんと疑われる影のように)映っただけだそうです。自分自身は何かの間違いだろうと思ってはいたのですが、精密検査の結果を聞いた瞬間に「ありがとうございます!」と少し大きめの声でお医者さんにお礼を言ってしまいました。ホッとしました。嬉しかったです。うちに帰って家内にこのことを報告したら家内も喜んでくれました。家内も大丈夫だろうとは思いつつ、悪い方のことも考えていたようです。良かったです。
今回私はほんの一瞬だけですが疑似がん患者の体験をしました。でもこの一瞬の体験が改めて生について考えるいい機会となりました。自分の生が家内の生になる、自分の生がうちの生になる、自分の生が家族たちの生になる。ほんの一瞬ですが今回の体験で生を大切にする気持ちが、改めてそして今以上に湧いてきました。私は今回の体験をさせてくれた先生に感謝したいと思います。先生、これからもどんどん疑い診断を出してください・・・って、それはそれで困りますが(笑)
そうそう、5年生存率ですが、昔と比べてずいぶんと上がってきているそうです。1990年代は50%に満たなかったのですが、2010年では60%を超えているそうです(全がん平均。国立がん研究センターが運営するサイトより)。10年生存率も58.9%まで上がってきているそうです(同)。10年が長いか短いかということではなく、医学の進歩という意味で受け止めていただけたら嬉しいです。それと、肺がんの場合小野薬品のオプジーボという最強の治療薬がありました。ステージ4のがん患者でも治してしまうというあのオプジーボです。ですので何かがあってもその何かに対する別の良い何かもあるのではないかと思います。今後も色々な事があるかもしれませんが今回のことを通して負けずに立ち向かっていきたいと思います。
はい、今回は全くの個人的な出来事のご報告(?)でした。それでは次回も乞うご期待です。さようなら。