みなさんこんにちは。今回のタイトルは、またなんと大袈裟なとお思いかもしれませんが、つい最近この諺がとてもマッチする事件が起きました。あ、その前にこのことわざの意味について少し書いておきたいと思います。
「天知る地知る我知る人知る」という諺は皆さんご存じだと思います。意味は、悪いことは天の神様地の神様そして自分も知っている。必ず人も知るところになる。つまり、悪いことは必ずばれるという意味です。面白そうですのでもう少し詳しくググってみました。
この諺は古代中国の後漢について書かれた歴史書「後漢書」の中にある揚震伝の中に記されている逸話です。その部分というのは以下のとおりです。あ、シチュエーションは揚震さんというとても真面目で清廉潔白な学者さんがある町の長官に任命されて赴任する途中に、王密という揚震さんの古くからの知人が面会を求めてきた時のことです。
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至夜懷金十斤、以遺震
→夜になって、王密は金十斤(だいたい6㎏)を懐に入れて、揚震さんに贈ろうとしていました
震曰、故人知君、君不知故人、何也
→揚震さんは言いました「私はあなたを知っているのに、あなたは私(の性格)を知らないとはどういうことですか?こんなものは受け取れません」
密曰、暮夜無知者
→王密は言いました「良く存じ上げていますが、こんな夜中ですし誰にも知られませんよ。どうぞお受け取りください」
震曰、天知、地知、我知、子知、何謂無知
→揚震さんは言いました「いいえ、天は知っています。地も知っています。そして私も知っているしあなたも知っている。誰も知らないことはありません」
その後、王密は恥じ入って下がっていったそうです。
やっぱり、不正行為はいつかは必ず発覚するということです。そしてそれは、悪いことだけでなく善い行いもその通りですという意味でもあります。
少し前のことですが、・・・いや、まだまだテレビを賑わせている静岡県伊東市の市長さんの話を覚えていらっしゃる方も多いと思います。例の学歴詐称問題です。この方が市長に当選後その学歴に○○大学卒業と書いたそうですが、実際には卒業していないのではないかというアレです。この際ですのでこの市長さんが本当に○○大学を卒業していようとしていまいと、そんなことはどうでもいいと思うのです。問題はこの市長さんが学歴を詐称したこと、嘘をついたことがよろしくないのだと思います。この市長さんに投票した人はこの市長さんの卒業した大学の名前を見て投票したのではなく、この市長さんの市政に対する思いとか情熱とかが投票する人の思いと合ったから投票したのだと思うのです。投票した人は市長が○○大学を卒業していようと△△大学卒業だろうと、多分どうでもよかったのだと思います。
それなのに、変に見栄を張って・・?、○○大学卒業と書いてしまってためにこれほど大事になってしまっているのだと思います。まあ確かに選挙の時に候補者の学歴が「除名」と書かれていたとしたら、有権者は「除名された人に市政を任せられない」と思うかもしれませんので、なかなか書きづらいのかもしれません。でも、やっぱり天知る地知るです。いつかは白日の下にさらされると思うのです。ほんのちょっとしたことですが、その分かれ目から先は大きな違いになってしまいます。
そういえば、沖縄県南城市の市長さんの話もありますよね。市長さんが女性職員に対してセクハラ行為を行っていたことを、被害者である女性職員に対して「変なことはやられていないと言ってね」と口止めをしていたアレです。まあ、このケースは、若干天知る地知るとはニュアンスが違いますかね。この場合は、「天知る地知る我知る人知る」の”我”(市長)がその事実を知っている”人”(被害女性)に対して「言わないでね」と言っていますのでかなり違います。でも、行きつくところはやっぱり、悪いことは隠そうとしても必ずどこかからばれてしまい、白日の下にさらされるということです。
ちょっと今回お話ししたいことの趣旨とは異なりますが、この市長さんはご自分が被害者に対して口止めをしたこと、その口止め行為自体が卑怯で狡くてみっともないことだと気が付かなかったのかな?と思います。本当に反省しているのなら「言わないでね」とは言わないで、心から謝って「あなたの気が済むようにしてください」というのではないかなと思います。それが市長だろうと普通の一般市民であろうと同じなのではないかと思います。あ、私はこの市長さんのことを攻撃しているのではありません。今回みなさんにお伝えしたいことを基にして考えているだけのことですので、はい。
もっと最近では前橋市長のラブホテル密会の話もあります。女性市長が市の幹部職員に色々な相談をするためにラブホテルで密会していたというアレです。私は政治評論家でもゴシップ記者でも、ましてや噂話好きのおばちゃま達でもありませんので、密会していようと、市長さんが言うように男女の関係があろうとなかろうとどうでもいいです。でも、幹部職員とラブホテルに何回も行っていたという事実はこうやって白日の下にさらされました。本当に天知る地知る我知る人知るです。揚震さんが王蜜さんに言った「天は知っています。地も知っています。そして私も知っているしあなたも知っている。誰も知らないことはありません」です。テレビで誰かが言っていました。「市長という公人は常に人の目にさらされているということを意識して行動しないといけない」と。本当にその通りだと思います。まあ、事ここに至った以上は相応の決着のつけ方があるのでしょうから市長さんとしてはその決着に向けて粛々と進められるのがよろしいかと思います。
今回は、3人の市長さんのお話から中国の古い諺を思い出したというお話です・・・って、違うんです。私は3人の市長さんのどうでもいい話を書くために多くの時間を使っているのではないのです。
先日、第80回国連総会で日本の石破首相が演説をされました。テレビや新聞でご存じの方も多いと思います。その中で石破首相は、国連がその本来の発揮すべき力を発揮出来ていないのではないかということをお話しされました。ロシアのウクライナ侵略で何万人もの罪のない人々が殺されていますが、このことに対してロシアが「拒否権」を盾に国連の力が行使されないことをお話しされました。また、イスラエルのガザ侵攻に関しても「ガザの人々が直面する想像を絶する苦難を看過することは、断じて許されません。我が日本国は、これまでもガザの傷病者の方々の日本での治療を始めとする人道支援を通じ、常にガザの人々の命と尊厳に寄り添い続けてまいりました。これからも日本はあらゆる努力を尽くしてまいります(略)ハマスは人質を直ちに解放し、武器をパレスチナ自治政府に引き渡すことを強く求めます」とお話しされています。
そして何より、核抑止の実効性について述べられた以下のお話に、私はとても心を打たれました。
「世界の多くの人々にとって、原爆のイメージは、投下直後に上空から撮影された、立ち上がるあのきのこ雲でしょう。しかし、今から80年前の広島と長崎で、あのきのこ雲の下では実際に何があったのか。
本年8月6日、私は広島市での平和記念式典に出席をして、一つの短歌を紹介しました。
『太き骨は先生ならむ そのそばに 小さきあたまの骨 あつまれり』。
爆心地の近くにある『原爆犠牲国民学校教師と子どもの碑』、これに刻まれた、歌人・正田篠枝さんの短歌であります。燃え盛る炎の中で、生徒たちは必死に先生を、必死に教師を頼ります、すがりつきます。その生徒たちを守ることができなかった教師。その無念の声が聞こえてきます」
石破首相のこの演説は、100万回の「核抑止を」よりもよほど人の心に届く言葉だと思います。
私、先に「天知る地知る我知る人知る」という諺には、不正行為はいつかは必ず発覚する。それは悪いことだけでなく善い行いもその通りですという意味でもあるということを書きました。本当にその通りだと思います。石破さんはこういうことを考えられる気持ちと心を持っているということは必ず皆さんの心に届くんだろうなと思います。
はい、今回はどうでもいい市長さんのゴシップ記事からヒントをもらって、見た目はおっかないけど深い愛と思いやりの心をもって活動している人もいることを再認識させてもらいました。それでは次回も乞うご期待です。さようなら。